この記事では、宮城県に接近する台風の傾向と県での対策や、ハザードマップをはじめ、台風対策として家でできることをまとめました。
①宮城県に接近する台風の傾向と、県としての対策を知ることができる。
②ハザードマップには何が書いてあるのか、各市町村のハザードマップを見ることができる。
③台風のために家で準備ができるものについてわかる。
準備しておけるのであれば、水や食料・防災バッグなど、あるに越したことはありませんが、準備していないときに突然来るのが災害ですよね。
今回は、日ごろから家にある・簡単に準備しておけるもので、本当にあった方が良いものだけをピックアップしました。
〈台風時これだけは準備しておきたいもの〉
・簡易発電装置(手まわしタイプ)
・モバイルバッテリー
・ラップ
・手指用除菌アルコール
・ハンドソープ・紙石鹸
・飲み水
・非常食(レトルト・カップラーメン・お菓子)3日分
・カセットコンロ
ちなみに例年の台風発生数や、そのうち日本に上陸して東北地方に接近する台風の数、ご存知ですか?
宮城での被害の大きかった台風として記憶に新しい、2019年10月の台風19号。
年々各地で大雨などの大きな被害が増えている印象、ありますよね。
そして近年「ハザードマップ」とよく聞くようになりましたが、実際見たことありますか?
ちなみに私は今回こうして調べてみるまで見たことがありませんでした…。
そんな「実は知っているようで知らなかった」ことをまるっと調べて、まとめてみました。
コン郎ボンベ 250g 48本 (3P×16セット)カセットボンベ
カセットコンロやボンベは意外とないものの1つなのではないでしょうか。
でも、災害時は絶対に合った方が良いです!
万が一電気が止まっても、お湯も沸かせるし調理もできます。
もちろん、冬場は普通にカセットコンロでお鍋も囲えます。
この機会に、カセットボンベの在庫もご確認くださいね。
台風対策家でできること、これはあったほうが良い物・準備【災害実体験から、これだけは!】
私自身は東日本大震災時の避難経験があります。
台風や豪雨ではありませんが、避難所で必要になるものの参考になりますので、ぜひご確認ください。
・簡易発電装置(手まわしタイプ)
・モバイルバッテリー
・ラップ
・手指用除菌アルコール
・ハンドソープ・紙石鹸
・水を準備しておく
・非常食を準備しておく
発電器やモバイルバッテリーは、避難所では必須です。
避難所にはコンセントは豊富にはありませんし、自宅であっても、停電時にはスマホや携帯電話は懐中電灯代わりにもなります。
感染症の流行りの有無にかかわらず衛生面でも気を使います。
今ではどこのドラッグストアでも購入できるようになりましたが、アルコール消毒や、ハンドソープや紙石鹸をいつでも持ち出せる準備までできている方は多くないかもしれません。
これらもいつ避難が必要になっても大丈夫なように、ボトル等に準備をしておく必要があります。
水や食料については最低でも3日分、と言われていますので、常に備蓄をしておく必要があります。
しかし、私の家でもそうですが、カップラーメンやパスタ、レトルト食品はそれぞれ少なくとも1回ずつ家族で食べられるくらいは常にストックしてあります。
現在の冷蔵庫の中を見ても、多分3日分はありそうです。
もちろん個人差はあるかと思いますが、「うちもそう」という方も多いのでないでしょうか。
普段からの備蓄がない方は少し意識をして準備も必要ですが、そうでない方は焦って買占めは必要ありません。
コロナの際の買占め騒動を教訓に、ぜひ一度自宅の食料チェックをしてみてください。
防災グッズのおすすめは!?ホームセンターで調査☆
ホームセンターで購入ができる防災グッズを調べてみました。
手回し充電ラジオ
防災ラジオ スマホ充電 乾電池&内蔵バッテリー 多機能 手回し
災害はいつ来るかも予想ができないものですので、持ってはいたけど充電切れの状態になってしまっていることも考えられます。
こちらの商品は、電池切れ状態でも大丈夫!
電気が通っていればUSBでの充電も可能ですが、そのほか、手回し充電、ソーラー充電、電池での使用にも対応しています。
このため、普段からこまめに充電をしておかずとも、いざというときにすぐに使うことができます。
さらに、こちらはラジオですが、ライトやサイレン、スマホや携帯電話の充電までできる優れモノです。
意外と自宅にもない方が多いのではないでしょうか。
うちはたためる小さなクーラーボックスはありますが、こうしたハードケース型のものはありませんでした。
しかし停電になった際、冷蔵庫内の食品は時間とともにダメになってしまうものも多くあります。
上記の準備物のところでも書きましたが、冷蔵庫内の3日分の食品を守るためには、保冷時間が保てるものも準備物の一つになります。
ヤマゼン|YAMAZEN 車中泊用防災バッグ 25 YSB-25
便利だなぁ、と感じたのが、車中泊用の防災バッグです。
車での避難を余儀なくされた場合、通常の避難とは違ったものが必要になることもあります。
こういった準備も一つあると、避難の選択肢も広がりますね。
宮城での台風被害はどのくらい?2019年10月台風19号から紐とく
まずは2019年台風19号について少し振り返ってみましょう。
アメダス仙台(仙台市)観測Data | |
総雨量 | 383.5㎜ (10/11 15時~10/13 9時) |
最大1時間雨量 | 63.5㎜ (10/12 22:32~23:32) (10月として1位の記録) |
最大瞬間風速 | 30.4m/s |
宮城県の観測所での最大値を記録したのは筆甫(丸森町)でした。
筆甫(丸森町)観測Data | |
総雨量 | 594.5㎜ |
最大1時間雨量 | 80.5mm (10月として1位の記録) |
◎宮城県の被害状況
〈人的被害〉
死者 19名
行方不明 2名
重傷 7名
軽傷 35名
〈住宅被害〉
全壊 273棟
半壊 2259棟
一部破損 1846棟
床上浸水 2096棟
床下浸水 12393棟
(消防庁情報2020年11月14日現在)
観測所でのデータや被害状況を見ても、歴代1位の記録を更新するなど、台風19号は宮城県では過去に類を見ない台風であったことがわかります。
実際、当時は仙台駅前のペテストリアンデッキ下の冠水のニュースも大きく取り上げられていたり、住まい近くの川もこれまでに見たことがないほど増水をしており、氾濫の危険性を感じたりしました。
台風が太平洋側から上陸は珍しい!?宮城県に上陸はある?
ではまず、一般的な(代表的な)台風の進路について確認をしていきます。
〈日本に影響を及ぼす台風の一般的な進路〉
①日本の南海上(水温の高いエリア)で台風が発生する。
②日本のはるか南の赤道付近を吹く東からの貿易風に乗り、東に運ばれる。
③日本の東~南東にある太平洋高気圧に沿って北上する。
④日本の上空を通る偏西風に乗って西に進む。
以上のことから、一般的には台風は日本の南西方向から近づいてくることになります。
では、太平洋側から台風が近づくことはあるのでしょうか?
〈太平洋側から台風上陸した例〉
1.2016年8月 台風10号
岩手県大船渡市に上陸
2.2021年7月 台風8号
宮城県石巻市に上陸
実は、気象庁が統計を開始したのが1951年で、その統計以降では上記の2例のみになります。
とても珍しい進路であることがわかりますよね。
幸いにも2021年7月の台風8号は宮城県で大きな被害になることはなかったですが、台風上陸になる地域は勢力を保った状態での上陸になることが多いので、宮城県でもあり得ない話ではないことが証明された台風となりました。
では、なぜこのような珍しい進路で台風が進んだのでしょうか?
少し調べてみました。
〈2021年7月台風8号宮城県上陸の仕組み〉
①日本の南海上(水温の高いエリア)で台風が発生する。
↑ここまでは同じです。
②寒冷低気圧(寒冷渦)と太平洋高気圧の間を北上する。
③寒冷低気圧(寒冷渦)に沿って南東から北西方向に台風が進む。
実は、この珍しい進路には、寒冷低気圧(寒冷渦)が影響をしていました。
この寒冷低気圧(寒冷渦)は、反時計回りに風が回転しています。
「迷走台風」は最近よく聞きますよね。
実はこの「迷走台風」もこの「寒冷渦」が影響しています。
迷走した結果、太平洋側にこれまで来ていなかっただけで、今後も太平洋側からの上陸になる可能性は十分にあります。
宮城は台風は多いの?少ないの?
体感としては、台風の影響で学校が休校になったり、新幹線に影響が出たり(在来線(特に仙山線は)はすぐに止まりますが…)というのは年に1回あるかないか、位です。
実際は宮城県や東北地方に接近する台風はどれほどあるのでしょうか。
こちらもデータを集めてみました。
〈2020年までの台風の発生数〉
※赤字は年間で最も多く台風が発生した月の個数。
年/月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年間/個 |
2020 | 1 | 1 | 8 | 3 | 6 | 3 | 1 | 23 | |||||
2019 | 1 | 1 | 1 | 4 | 5 | 6 | 4 | 6 | 1 | 29 | |||
2018 | 1 | 1 | 1 | 4 | 5 | 9 | 4 | 1 | 3 | 29 | |||
2017 | 1 | 1 | 8 | 5 | 4 | 3 | 3 | 2 | 27 | ||||
2016 | 4 | 7 | 7 | 4 | 3 | 1 | 26 | ||||||
2015 | 1 | 1 | 2 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 5 | 4 | 1 | 1 | 27 |
2014 | 2 | 1 | 2 | 2 | 5 | 1 | 5 | 2 | 1 | 2 | 23 | ||
2013 | 1 | 1 | 4 | 3 | 6 | 7 | 7 | 2 | 31 | ||||
2012 | 1 | 1 | 4 | 4 | 5 | 3 | 5 | 1 | 1 | 25 | |||
2011 | 2 | 3 | 4 | 3 | 7 | 1 | 1 | 21 |
台風発生のピークは9月頃であることがわかります。
一方で、下記にデータを載せますが、東北地方に近づく台風は、太平洋高気圧や偏西風の影響もあり、8月や10月にピークを迎えている年もあります。
〈2019年までの台風の東北地方接近数〉
※赤字は年間で最も多く東北に接近した月の個数。
年/月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年間/個 |
2020 | 0 | ||||||||||||
2019 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | ||||||||
2018 | 2 | 1 | 1 | 4 | |||||||||
2017 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | ||||||||
2016 | 4 | 4 | |||||||||||
2015 | 0 | ||||||||||||
2014 | 1 | 1 | 2 | 4 | |||||||||
2013 | 1 | 2 | 3 | ||||||||||
2012 | 1 | 1 | 1 | 3 | |||||||||
2011 | 1 | 1 |
参考:気象庁「台風の発生数」
台風の年間発生数が約30個に対して、東北地方に接近する台風は約4個です。
しかも、東北地方に近づくにつれて台風の勢力は衰えるのが一般的ですから、大きな影響を受ける台風の接近は年間1~2個と言えそうです。
ただ、最近の傾向として、台風だけでなく、秋雨前線や線状降水帯の影響での大雨が増えている印象もあります。
この影響と台風が重なった場合、思わぬ大雨になることも少なくありません。
台風が少ないからと言って、普段の対策が必要ない、ということは決してありません。
2020年は沖縄を除く全国で梅雨明けが1週間以上遅れたり、東北北部では梅雨明け時期「特定なし」であったり、記録的な長雨となっていましが、実は台風の発生・接近自体は例年に比べてとても少なくなっていました。
宮城県の台風への備えは?HPから徹底分析☆
宮城県としての台風対策はどのようになっているのでしょうか。
県のHPや内閣府の情報、気象台の情報等をまとめました。
MIDORIとは、地震、津波、豪雨等による自然災害に対処することを目的とした防災情報の収集・提供システムです。
平成5年から本格稼働し、平成18年までに改修を行い、現在も運用されています。
ここでは、各市町村ごとの災害の被害報告と避難情報を確認することができます。
意外と見ていない方、多いのではないでしょうか。
仙台市民は仙台市政だよりと一緒に2か月に1回、自宅ポストに投函されています。
みやぎ県政だよりの令和2年7月8月号6~9ページに特集がありました。
こちらは宮城県のHPからも県政だよりのバックナンバーとして読むことができます。
平時にすべきこと、台風や豪雨の時に確認すべきこと等がわかりやすくまとまっています。
ぜひ一度ご覧ください。
仙台市独自の台風対策はこちらにまとめてありますので、ご確認ください。
「避難行動判定フロー」「避難情報のポイント」
こちらは内閣府防災から出されているものです。
内閣府「避難行動判定フロー」
こちらはフローチャートになってるので、誰でもわかりやすく見やすいです。
次に、避難情報のポイントにもある、警戒レベルについてまとめました。
警戒レベル3:高齢者等避難
避難に時間のかかる高齢者や障害のある人は、危険な場所から避難しましょう。
大雨警報・氾濫警戒情報・洪水警報
警戒レベル4:避難指示
危険な場所から全員退避です。
土砂災害警戒情報・氾濫危険情報
警戒レベル5:緊急安全確保
すでに安全な避難ができず、命が危険な状況です。
警戒レベル5の緊急安全確保の発令を待ってはいけません!
大雨特別警報・氾濫発生情報
実は、令和3年5月から、この警戒レベルの表記が変更されています。
これまでの「避難準備」「避難勧告」といった言葉は廃止され、「避難指示」というより強い表現になっています。
内閣府としては、警戒レベル4:避難勧告で、危険な場所にいる人は全員避難を呼び掛けています。
この、「危険な場所」というのが、ハザードマップで示されている場所になります。
次で詳しくハザードマップを見ていきます。
宮城県の洪水ハザードマップって何が書いてあるの?【ここ重要!】
ハザードマップは、おもに地方自治体で出されています。
宮城県でも、各市町村が危険箇所を確認し、ハザードマップを作成しています。
そもそもハザードマップには何が書いてあるの?
・浸水想定区域と浸水深
・河川の氾濫特性
・避難場所
・避難時の危険箇所
・避難情報の伝達方法
・気象情報のありか(入手先)
・災害学習情報(過去に堤防が決壊した箇所や水害に備えた心構え)
私はこれを見て、避難時の危険箇所や避難情報の伝達方法が書いてあるのは意外に感じました。
過去の堤防決壊等の情報も書いてあるのはありがたいですよね。
各公民館や小中学校が避難所になることも多いので、歩いて行ける場所がほとんどです。
お天気の良い日に一度、家族みんなで歩いてみるのもいいですよね。
地域別ハザードマップ
宮城県HPから各市町村の防災関係のページに飛ぶことができます。
宮城県HP洪水ハザードマップ紹介
過去を知って未来を見る
この記事では、宮城県に接近する台風の傾向と県での対策や、ハザードマップについて詳しく説明をしていきました。
いかがでしたか?
宮城県は台風の被害が大きくはない、と思われるかも知れませんが、昨今の各地での状況を見ていると、いつ、どこで、どんな災害が起こってもおかしくないですよね。
ぜひ、もしものときのことを一度考えてみてください。
県の台風対策や、ハザードマップは命を守ってくれます。
「もう知っているよ」と思うような知識も、日々アップデートをして、最新の情報を常にお持ちください。